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オークの救世主になろう 3

last update Last Updated: 2025-11-03 18:44:16

「ヒレーこの方はムツヤ殿だ」

「ムツヤ様ですか…… 改めまして私はヒレーと申します」

「あ、どうもどうも」

 ヒレーは可愛らしく両手でスカートを持ち上げてペコリとお辞儀をする。

 それに対してムツヤは頭を掻きながら愛想笑いをしていた。

「ヒレーも元気になりましたし、遅い時間ですが夕飯をごちそうしたいのですが、いかがでしょうかムツヤ殿」

「良いんですか!? ありがとうございます、もうすっかりお腹が減っていたのでありがたいですよ」

 うながされてムツヤは椅子に座る。

 人間にとってはだいぶ大きめの木製椅子だ。モモは別室で鎧を脱ぎ、エプロンに着替えて台所に立つ。

「お姉ちゃん、私も手伝うから」

「ヒレーは病み上がりなんだ、大人しくしていて大丈夫だ」

「もー、ムツヤ様のお薬で本当にもう何ともないってば!!」

「わかったわかった、それじゃ皮むきをしていてくれ」

 ヒレーに押され、観念したモモだったがその顔は嬉しそうだった。

 ムツヤは椅子に座りボーッと台所を眺める。

 人に料理を作って貰うなんていつぶりだろう。

 じいちゃんが腰悪くなってからは殆ど自分が作ってたし、そういや勢いで外の世界へ来ちゃったけども、じいちゃんはちゃんと生活できてるのかなと心配にもなる。

 まぁ、飲むと元気になるっていうか、あのじいちゃんの腰が真っ直ぐになって走り回れる緑の薬をたくさん置いて来たし大丈夫だろうと自分に言い聞かせた。

「ムツヤ殿? ムツヤ殿、起きて下さい」

 ムツヤはモモに体を揺さぶられて目が冷めた。

 いつの間にか寝ていてしまったらしい。

 あまりに気持ちよさそうに寝ていたからそのままにしておいてくれたのだという。

 頭が段々と冴えてくるとムツヤの目の前にはいい香りのする料理が運ばれてきた。

 似たようなものは作ったことがあるがそれよりもずっと美味しそうだ。

「お客人が来るとは思わず、普段どおりの食事で申し訳ないのですが……」

 モモは少しバツの悪そうに下を向いて言った。

 妹を村を救ってくれた客相手にこの様なもてなしが精一杯の自分が恥ずかしい。

「いえいえ、美味しそうでずよ。モモさんありがとう、いだだぎます」

 皮肉を言われたのではないかと不安になったが、ムツヤ殿はそのような事は言わないだろうとそのまま感謝の意味としてモモは受け取る事にし、笑顔を作る。

「どうぞ、お召し上がり
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